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フィリップ・コトラー「マーケティング4.0」とタカラヅカ(前編)

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このコラムでは、たびたびマイケル・ポーター教授を取り上げてきましたが、今回はもう一人の著名な経営学者であるフィリップ・コトラー教授を取り上げたいと思います。

自己実現欲求」の時代

「コトラー教授はマーケティングの神様とも称され、STP理論や4P理論の提唱により永らく学界を牽引してきたことはご存じの通り。そのコトラー教授がちょうど一年ほど前に新たに提唱した理論が「マーケティング4.0」であり、その核心は以下の通りです。

まず、コトラー教授は、マーケティングとは次のプロセスを経て発展してきた、とその歴史を説明します。それはすなわち、「マーケティング1.0 製品中心」→「マーケティング2.0 消費者志向」→「マーケティング3.0 価値主導」のプロセスで、そして今日、コトラー教授は、これからの時代は新たな「マーケティング4.0」の概念が必要であることを提唱しています。現代の先進国の消費者は、マズローの欲求5段階説でいう、「生理的欲求」「安全的欲求」「社会的欲求」「尊厳欲求」はすでに満たされてきており、今の消費者が欲しているのは「自己実現欲求」であると言うのです。

では一体「消費者の自己実現」とは何を指すのでしょうか? その答えは「自己満足(=消費)+新たな価値創造(=生産)」なのではないかと私は考えます。

情報化の進展を背景に生産者側と消費者側が共に「価値を共創」する時代が到来していると思うのです。

消費者はただ単に提供された商品・サービスを消費するだけでなく、そのプロセスから新たな価値を創造して新商品(サービス)開発・商品(サービス)改善につながる提案を生産者側に行います。そしてその提案を具現化させることが出来る生産者側(企業)が真の勝利を手にすることが出来るということなのです。

身近な成功例としてはネスレ日本の「ネスカフェ・アンバサダー」が挙げられます。

アンバサダーはコーヒーの消費を通じて経済的利益を享受するだけではありません。そのおかげで職場でのコミュニケーションが円滑になったと感謝してもらえ、自身の存在で職場の人間関係が改善されるという新たな価値創造がアンバサダーの大きなモチベーションになっているのです。

タカラヅカのビジネスモデルは常に先を行く!

宝塚歌劇のビジネスモデルは、前回のこのコラムで説明した「シロウトの神格化」モデルということになります。ファンコミュニティは、応援する生徒(役者)が神格化の頂点である「トップスター」の地位に就くことを夢見て、中長期的に支援=消費行動を取るわけですが、コミュニティの側は単に観劇チケットや公演DVD、公演プログラムといったさまざまなグッズ類を消費するだけでなく、さまざまな情報発信を通じて(時にはライバルと目される生徒へのネガティブキャンペーンもあるけれど)「お気に入り」の出世のために「価値創造」に余念がありません。

それを、提供(生産)側がくみ取って次の公演制作や商品開発に活かしていくのです。それが一層コミュニティを活性化させていき、「シロウトの神格化」プロセスを歩んでいく・・・というように、そのものズバリの「マーケティング4.0 自己実現」を、タカラヅカは長年実践してきているのです。

後編へ続く(2015年12月1日公開予定)

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