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垂直統合戦略と「シロウトの神格化」というタカラヅカの消費モデル

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「垂直統合戦略」とタカラヅカ

前回のコラムでは、かつてわが国の製造業が世界のマーケットを席巻した「企画開発→製造→販売」までのプロセス、つまり一気通貫の「垂直統合システム」について宝塚歌劇事業も構築、実践しており、それが浮き沈みの激しいエンターテイメント業界で100年の長きにわたって事業を継続できた大きな根拠であることをご紹介いたしました。

今回は、このシステムがタカラヅカビジネスの現場でどのように機能しているかを「ファンコミュニティ」との関係性という視点で解説したいと思います。

「シロウトの神格化」という消費モデル

宝塚歌劇団の生徒(役者)はいくら芸達者であっても、入団後すぐにスターとして扱われる訳ではありません。宝塚の世界ではよく「男役10年」と称されるように、舞台歴を積むことによって身につき、かもし出される男役独特の「美意識」「世界観」といったものをまとわない限りはファンコミュニティからスターとしてのお墨付きを得られないのです。この点がたびたび比較対象となるAKB48の消費モデルと決定的に異なる部分です。

AKBの場合は、年数や履歴に関係なく「投票」や「じゃんけん」で「センター」=宝塚歌劇におけるトップスターの位置が決まります。

「シロウトの神格化」とは、宝塚歌劇団入団後に最終的な目標である「トップスター」の座を目指してたどっていくプロセス、ステップのことで、例えば「新人公演」の主役を経験する「宝塚バウホール公演」の座長を経験する・・・といった明示的なステップもあれば、衣装の飾りが少し豪華になる「銀橋を渡る」役をつかむ、スターと絡む場面をもらう・・・といった暗示的なステップもあります。詳しくは拙著「元宝塚総支配人が語る『タカラヅカ』の経営戦略」をご覧ください。

ファンコミュニティは一作品ごとに成長しながらそのステップを「トップスター」の座をめざしてのぼっていく生徒の姿に「熱狂的に」「共感」し、「私が支えてあげないと・・・」といったまるで子育てのごとくに寄り添って、「シロウトの神格化」というタカラヅカ独特の消費モデルを形成していくのです。

「一気通貫」のメリット

このようにファンコミュニティは原則、退団するまで一人の生徒を支えていくので、生徒の将来性の見極め(途中で退団しないか)や上記プロセス、ステップに対応したタイムリーな商品開発、そしてファンコミュニティの強さ(購買余力)といった要素を、作品を制作する宝塚歌劇団だけではなく、舞台衣装等の製作を担当する株式会社宝塚舞台、そして販促、劇場経営をつかさどる阪急電鉄株式会社の3者がしっかりと見極めることによって、最も効果的でかつ効率的なビジネスモデルを構築してきたのです。

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